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5日間で約2,000名がApple Vision Pro作品を体感!XRアート&カルチャーの祭典「NEWVIEW FEST 2024」レポート

グローバルXRアワードの最終審査結果も発表GOLD PRIZEは、Apple Vision Proと心音を同期させる存在認識システムと、忠犬ハチをモチーフにしたARで体験できる小説の2作品が受賞!

 

XR表現の探求プロジェクト「NEWVIEW(ニュービュー)」は、2024年シーズンの集大成となる複合型イベント「NEWVIEW FEST 2024」を2025年2月7日(金)〜2月11日(火・祝)までの5日間、渋谷PARCO B1F「GALLERY X」およびShibuya Sakura Stage 4Fのクリエイター共創拠点「404 Not Found」で開催しました。

 

また、グローバルXRクリエイティブアワード「NEWVIEW AWARDS 2024」の最終審査結果が初日(2月7日)の「NEWVIEW AWARDS 2024 CEREMONY」にて発表され、最高賞であるGOLD PRIZEには、Apple Vision Proと心音を同期させる存在認識システム『RESORACLE ─ Heartbeat Verification System ─』と、忠犬ハチをモチーフにしたARで体験できる小説『Immersive Novel』の2作品が受賞となりました。

 

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【サマリー】

・オープニングパーティでは約260名が来場!Apple Vision Proを活用した空間VJに会場が熱狂

・グローバルXRクリエイティブアワード「NEWVIEW AWARDS 2024」各プライズ審査結果発表

・滋慶学園 空間コンピューティングカリキュラム成果発表では次世代の読書体験作品がグランプリ選出!MIT/ハーバードビジネススクールの視察ツアーを贈呈

・次世代の「ひとり飲み体験」、アサヒビール開発のApple Vision Proアプリを230人以上が体験

・SCHOOL卒業展示 / でんぱ組.incライブ / 文化庁トークイベントも予約ほぼ満席 大好評
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◆オープニングパーティでは約260名が来場!Apple Vision Proを活用した空間VJに熱狂

2月7日(金)19:30-22:00のオープニングパーティでは、NEWVIEWとアーティストの谷口暁彦、JACKSON kaki、最後の手段らが制作したApple Vison Proを用いた観客一体型の空間VJパーフォーマンスを披露しました。

各アーティストが手掛けるデジタルコンテンツと音楽が融合し、来場者のグルーヴに合わせてVJ表現が変わります。鑑賞者であると同時に、Apple Vision Proを装着した人も1人のVJアーティストとして参入ができる、空間コンピューティング時代の全く新しい音楽ライブ体験となりました。

 

 

◆グローバルXRクリエイティブアワード「NEWVIEW AWARDS 2024」各プライズ審査結果発表

 

NEWVIEW AWARDS第6回目となる今回は、Apple Vision Proのコンテンツを募るSpatial Computing部門と、場所性を活かしたAR作品を募るSite-specific AR部門の2部門を設けていました。

 

そして全世界10ヶ国95作品の応募の中から最終審査を経て、初日「NEWVIEW AWARDS 2024 CEREMONY」にて、最高賞であるGOLD PRIZEおよび各スポンサーが選出するSPECIAL PRIZEが発表されました。受賞者には、受賞特典としてXRによって既存のカルチャーの新たな可能性を切り開く挑戦の機会が与えられます。

 

 

【GOLD PRIZEについて】

 

▽Spatial Computing部門 GOLD PRIZE

・作品名:『RESORACLE ─ Heartbeat Verification System ─』

・アーティスト名:Megumu Hanayama

・審査員コメント抜粋:
審査員長 宇川直宏(現”在”美術家|DOMMUNE主宰)

”このメタフィジカルな作品は、マッシヴデータフロー時代における極めて本質的なデータマイニングを導き出している。”存在の結晶”としての心音は、個人情報が保護される現代において、脳波と共に新しい身体紋理となるであろう。極めて2024年的なビッグデータにおける問題意識と可能性を世に放った作品である。”

 

Gerfried Stocker(メディアアーティスト|Ars Electronica総合芸術監督)

“XRの持つ社会的な可能性を深く掘り下げ、このアワードにおいて際立った貢献を果たしている作品。インタラクティブな拡張現実がますます没入感を増していく中で、私たちの自己像や自己体験がどのように変容していくのかという本質的な問いを投げかけている。これは単なる技術的な発展の話題にとどまらず、芸術的な考察や内省においても極めて重要なテーマである。(中略)本作はアワード受賞にふさわしいだけでなく、アーティステック・リサーチが成し得ることの力強い証明でもある。”

 

 

▽Site-specific AR部門 GOLD PRIZE

・作品名:『Immersive Novel』

・アーティスト名:カミエナ

・審査員コメント抜粋:

サエボーグ(アーティスト)

“この名もなき犬はハチの地縛霊であり、残留思念であり、ゴースト。サイトスペシフィックというテーマに、その土地に縛られた霊を出して登場させるというアイディアはこれ以上ないくらいにサイトスペシフィック。”

 

KEIKEN(アーティストコレクティブ)

“「Immersive Novel」は、渋谷駅を舞台に、忠犬ハチ公の伝承を中心に構築された、サイトスペシフィックなARの魅力的で思慮深い活用例である。ARは幽霊の表現に特に適しており、私たち自身の目では捉えられないものを明らかにするレンズの役割を果たす。ARを通して幽霊が現れる様子は、霊が私たちの知覚のすぐ外側に存在しているかのように映し出され、体験を一層没入感のあるものにしている。ARが民間伝承や物語を生き生きと伝える、美しい例と言えるだろう。”

 

David OReilly(マルチディシプリナリーアーティスト)

“ストーリーテリングとAR技術を融合させたユニークなサイト固有の体験。人気キャラクターを使用してプレイヤーを物語に導くことで、プレイヤー、環境、そしてストーリーとのつながりを生み出している。(中略)このプロジェクトの魅力は、キャラクター主導のエンゲージメントを用いてAR/VRストーリーテリングの新しいニッチを確立し、持続的な印象を残す能力にある。没入型ストーリーテリングへの思慮深く創造的なアプローチである。”

 

 

【SPECIAL PRIZEについて】

 

▽TOKYU corporation PRIZE(東急株式会社)

・作品名:『Karma』

・アーティスト名:Shinya Hasebe

・審査員コメント抜粋:

渡邊 彰浩(東急株式会社 文化・エンターテインメント事業部 主査)

“素晴らしい作品が沢山あり難しい審査でしたが、その中でもまちづくり活動を生業とする東急株式会社として、「その空間の価値を最も高めるもの」という観点からShinya Hasebeさんの”Karma”を選ばせていただきました。コロナによって生まれてしまったディストピア的空間が、クリエイターやアーティストの力によって、ユートピアへと生まれ変わる…一連のプロジェクトの美しさに大きな感動を覚えました。(また”Karma”をキッカケに、十三という街、淀壁プロジェクト、ファラオ・サンダースについてリサーチを重ねてしまいました)

この作品はフィジカルな壁面アートとのコラボレーションでしたが、都市空間にはたくさんのコラボレーションできる媒介物があることを改めて実感しました。今後も、素敵なコラボレーションが生まれてくることを楽しみにしております。”

 

 

▽PARCO PRIZE(株式会社パルコ)

・作品名:『Bloom in Motion』

・アーティスト名:JACKSON kaki

・審査員コメント抜粋:

手塚 千尋(株式会社パルコ 宣伝部 部長)

“デジタルアートならではの「操作する」という体験も含めた作品化、そしてAppleVisionProというデバイスの登場によって、表示されるオブジェクトに、本当にそこにあるかのようなリアリティがもたらされ、さらにハンドトラッキングが可能にする”手でつまむ”行為を通じた「操作」の確かな手応えを得る。最新の技術が可能にする体験と表現をかけ合わせ、かつこの技術の黎明期にふさわしい、次代のリアリティを模索する挑戦的な姿勢を感じる、”今”だからこそ生まれた作品であると言う点が、この作品の大きな価値だと考えました。

そしてこの表現には、バーチャル空間上でつまむという行為がビジュアルだけでなく音楽へ作用されるという体験を通して、新しい芸術表現のひとつになる可能性を感じました。”

 

 

▽ASAHI BREWERIES PRIZE(アサヒビール株式会社)

・作品名:『VEGA: Reach your Stars!』

・アーティスト名:grace park

・審査員コメント:

梶浦 瑞穂(アサヒビール株式会社 マーケティング本部長)

“「VEGA」は、インターネットの未来を再定義する意欲的な試みでした。従来の平面的

なスクリーンではなく、3D情報とのインタラクションはよりアイテムの意味性を感じさせられる新しい体験であるとともに、XRの未来をより期待させるものでした。一つ一つの3Dガジェットが丁寧に作られており、クリエイターのK-POPガールグループへの愛情とそれをユーザーにも感じて欲しいという思いを感じました。VEGAの提供する検索エンジンの可視化によるデジタル空間とリアルの境界を超えた情報探索体験は、アサヒビールのビジョンである「すべてのお客様に、最高の明日を」にも通じると感じました。

この革新的なアプローチが、今後さらに多様な分野へと広がり、新たなコラボレーションが生まれることを期待し、アサヒビール Prize に選出致しました。”

 

▽AWE PRIZE(AWE)

・作品名:『RESORACLE ─ Heartbeat Verification System ─』

・アーティスト名:Megumu Hanayama

・審査員コメント抜粋:

AWE担当者

“これは、仮想体験の中心に人間を置いた新しいアイデアです。AIの台頭により、ユーザーが本物の人間とやり取りしているという事実に対する信頼は、没入型体験においてますます重要な問いになるでしょう。 バーチャルリアリティーとミクスドリアリティーの技術は、デジタル上で人々をつなげる強力な手段を提供しますが、AIによるアバターや仮想人間が登場することで、ユーザーは相手が本当に人間とやりとりしているのかを判断することが難しくなっています。RESORACLEは、最先端のXR技術と人間の生物学的な基本的要素である心拍を組み合わせたソリューションを提供します。 また、テクノロジーが急速に進化する中で、AIと共存する未来において、どのように自分たちの人間性を確認するのかという問いも提起しています。これは、ほぼ避けられない現実のように思えます。”

 

 


また、受賞に値する評価の高い作品が多数集まったことを受けて、審査会での審議の結果、新たに「SPECIAL RECOMMENDATION PRIZE」と「JURY PRIZE」を新設しました。これらのPRIZEの受賞作品には、審査員からのコメントとトロフィーが贈呈されます。

 

 

▽SPECIAL RECOMMENDATION PRIZE

作品名:『自己他殺』

・アーティスト名:ノガミカツキ

Gerfried Stocker(メディアアーティスト|Ars Electronica総合芸術監督)
“作品「Self-Homicide」は、その大胆かつ繊細なテーマアプローチにより、従来のXRプロジェクトの枠をはるかに超える驚きをもたらしました。また、この作品は、没入型のインタラクティブな拡張現実が進む時代において、我々の自己認識がどのように進化するのかという本質的な疑問を投げかけています。”

 

▽JURY PRIZE

宇川直宏PRIZE『空間へのドローイング:渋谷』_城下浩伺&みふく
KEIKEN PRIZE『RESORACLE ─ Heartbeat Verification System ─』_Megumu Hanayama
Gerfried Stocker PRIZE / Lu Yang PRIZE ダブル受賞『漂流物たち』_伊藤道史
David OReilly PRIZE『Karma』_Shinya Hasebe
サエボーグPRIZE『Bloom in Motion』_JACKSON kaki

 


◆次世代の「読書体験」ができる作品がグランプリ選出!

滋慶学園 空間コンピューティングカリキュラム最終成果発表では、全国11校の中から選ばれた5名が渋谷に集結し、審査員の前で最終プレゼンテーションを実施しました。グランプリ受賞者には、マサチューセッツ工科大学「XR Club」およびハーバードビジネススクールの視察ツアーが贈呈されます。※4月ごろ実施を予定

 

【グランプリについて】

・作品名:『注文の多い料理店XR』

・受賞者:福岡デザイン&テクノロジー専門学校 村井亮介

・審査員コメントサマリ:

“審査員一同、満場一致での選出でした。読書を体験に昇華し、非言語でもストーリーが理解できるXRの特性を活かしたコンテンツになっていた点や、生成AIを活用して制作コストをグッと圧縮していたプロセス、そして昨今注目されているIPのメディアミックス化を想定し、横展開まで考えて企画した着眼点、いずれも素晴らしい観点で作品を作られていると感じました。

また今回、あえてパブリックドメインとなっている題材を選んでいる点も抜け目がないなと感じ、作品以上に一緒に仕事がしたいと思えるクリエイターだと感じました。”

 

 

成果発表の場では、実際に空間コンピューティング業界の最前線で活躍する審査員がその場で学生たちの作品を体験しました。

また、Apple Developer Relationsチームも来場し、学生たちがApple Vision Proに関して直接質疑応答するなど、今後の学生クリエイターの制作意欲向上につながる場となりました。

 

・司会進行:東急不動産株式会社 佐藤 文昭

・審査員:株式会社STYLY 山口征浩 / 『WIRED』日本版 小谷知也 / KDDI株式会社 佐野学 / J.フロント リテイリング株式会社 林直孝

 


◆次世代の「ひとり飲み体験」、アサヒビール開発のApple Vision Proアプリを230人以上が体験

 

本フェスティバルのスポンサー、アサヒビール株式会社が実験的に制作する、Apple Vison Proを用いて“ひとり家飲み”に新たな価値を提供する没入型体験アプリ「Vision Brew Journey」の特別展示も行われました。

 

「Vision Brew Journey」は利用者が日常を忘れてリラックスしたひとときを過ごせるように設計されており、ビール缶を認識して、手元の部分だけは現実世界の映像が見えるようになっていたり、アプリケーション内でYouTubeの視聴ができるなど、ひとり飲みをよりエンターテインメント化しながら、より快適に過ごせるように設計されています。

体験者からは、

  • 思わず深呼吸してしまった!
  • 逆説的だが、デジタルデトックスになる。
  • 確実に来るであろう未来の一人飲みを体験できました。
  • 没入空間なのに、お酒が飲めるのは新鮮でした。

といった、ポジティブな声が寄せられました。

 

 


◆SCHOOL卒業展示 / でんぱ組.incライブ / 文化庁トークイベントも予約ほぼ満席 大好評

【SCHOOL卒業展示】

404 Not Found会場では、NEWVIEW SCHOOL6期生による卒業展示を行いました。

2024年度のNEWVIEW SCHOOLは、空間コンピューティングをテーマに、東京・ニューヨーク・バンコク・シンガポールの4都市で展開。約半年間の実験と実践を繰り返したJAPAN第6期生による卒業作品がこの機会にお披露目となり、予約がほぼ満席の状態で会期を終えました。


【等身大のでんぱ組.incメンバーが登場!Hyper Music Venue展示】

 

でんぱ組.incとXRクリエイターがコラボレーションしてつくりあげた新感覚の音楽体験「Hyper Music Venue」展示では、最優秀作品を受賞したHajime Takashi氏の「でんぱ組.inc LIVE at 宇宙渋谷ドーム」をApple Vision Proでの体験にアップデートして体験いただけるようにしました。

「もしでんぱ組.incのライブが宇宙の都市で開催されたら?」という想像から生まれた壮大なスケール&演出のステージに没入する体験を提供しました。

 

 

 

【クリエイターのキャリアに注目集まる!メディア芸術クリエイター育成支援事業経験者談】

会期最終日には、NEWVIEWプロジェクトと文化庁のメディア芸術クリエイター育成支援事業のコラボレーショントークイベントを開催しました。

本育成支援事業を経て活躍するクリエイターたちに対して、急速に進化するテクノロジーやメディア環境において、クリエイターがどのように変化し、キャリアのブレイクスルーを達成してきたのかに焦点を当てながら、ICC主任学芸員である畠中実氏が軽快なトークで会を進行しました。

アワードや育成支援を活かしたクリエイターとしての成長と変化についても語られ、来場していたクリエイターの背中を押しながら、新たな門戸が開かれる機会となりました。

令和6年度のメディア芸術クリエイター育成支援事業の成果発表イベント「ENCOUNTERS」は2月24日(月・祝)までTODA HALL & CONFERENCE TOKYOにて開催中です。

詳細はこちらを参照ください:https://creators.j-mediaarts.bunka.go.jp/encounters-2025

 

 


◆NEWVIEW FEST 2024について

 

【NEWVIEW FEST 2024 概要】

・会期:2025年2月7日(金)~2月11日(火・祝)

・会場:渋谷PARCO(東京都渋谷区宇田川町15-1 B1F)

Shibuya Sakura Stage「404 Not Found」(東京都渋谷区桜丘町1−4 4F)

・主催:NEWVIEW

・公式Webサイト:https://newview.design/newview-fest-2024/

 


◆NEWVIEW プロジェクトについて 

3次元空間での新たなクリエイティブ表現と体験のデザインを開拓する実験的プロジェクト/コミュニティとして、2018年1月に始動。ファッション、音楽、映像、グラフィック、イラストレーションなど、都市空間におけるカルチャーを体現するクリエイターとともに、リアルと空想を越境する次世代のカルチャー/ライフスタイル体験をデザインする実験を仕掛ける。国内外でのレクチャーやミートアップを通じて次世代のXRクリエイターの発掘・育成・交流を推進。

 

【本件に関するお問い合わせ】

株式会社STYLY 森逸崎

info@styly.inc

 

プレスリリースやロゴなどが入った、プレスキットは以下よりダウンロードください。

https://x.gd/QuK02